軽井沢と鎌倉、この遠く離れた2つの地に似通った手彫りの伝統工芸品があります。
そしてその2つは、知れば知る程、一見似ていても全く違う物だという事に気付かされます。
軽井沢彫
始まりは明治時代。
軽井沢に訪づれた外国人の別荘用の家具として作られた事が発端です。
日光彫の職人の技を取り入れて、柄は花柄、特に日本のイメージである桜が好まれて使われます。
駅にはこの軽井沢彫のプレートが飾られています。
調度品はそのモダンで優雅なフォルムから、今でも軽井沢のホテルを始め飲食店で多く見受けられます。
お盆等、身近な物もあり別荘で使われいる事も多いようです。
私は軽井沢彫からは優しくて女性的な印象を受けます。
緑や木々が多い軽井沢の自然の中にしっくり溶け込む木の素材と桜の模様です。
旧軽を歩くと、軽井沢彫のお店もあり小物から家具までここで購入出来ます。
鎌倉彫
始まりは鎌倉時代。
中国の栄の影響を受け、仏具として作られたのがその起源です。
江戸時代になると茶道と共にお茶道具として発展し、明治時代になると一般家庭や別荘での家具や日用品として普及していきました。
別荘で使われたいう点は、軽井沢と共通点があり面白いと思いました。
鎌倉彫の特徴はその美しさの中にも力強さがある、彫刻と漆(うるし)塗りの仕上がりにあると言えます。
彫り終えたら、その上から何度も漆を塗るのでお盆サイズでも出来上がるのに1ヶ月から1ヶ月半位かかります。
図柄は草花を扱った物が多いですが、柿や葡萄等果物を彫った物もあります。
これは建長寺に飾られている唐花文香炉台ですが、見るからに歴史を感じますね。
鎌倉彫を扱ったお店は鎌倉には30軒以上あり、軽井沢彫に比べ市場や愛好者が多い事が分かります。
お盆は結婚や新居祝いとして人気があります。
その理由は形が丸く縁起が良いからだそうです。
鎌倉彫は年数が経つに従って色が変化し楽しむ事が出来るので、それもまたこれが好まれる理由です。
(なるほど😊)
軽井沢彫に比べると、重厚でどっしりしたイメージを受けます。
お店に鎌倉彫が年数が経つにつれ色味が変化していく様子のモデルがありましたので、見せて頂きました。
黒いフチが出て来ていますが、これは下地にまず黒色を塗るので、年月と共にその黒色が滲み出てくる為だそうです。
奥深いですねー。
お盆の他に普段使いに手頃なお箸もあります。
八幡宮の前に博古堂さんという新鋭的な鎌倉彫を扱ったお店があるのでこちらも見せて頂きました。
こちらのお店では新しい若い感覚の鎌倉彫に出会う事が出来ます。
栄時代から誇るべき伝統芸能は昔ながらの流れを守りつつも、こうして時代に合わせて進化し続けているようです。
若宮大路を海に向かって歩いて行くと「鎌倉彫会館」があります。
ここは資料館と美術館を兼ね添えた建物です。
鎌倉彫について知りたけば、こちらを訪れてみる事をお勧めします。
そして1階はカフェになっていて、鎌倉彫を使った器でお茶やランチを頂けます。
まだあまり知られていないので、ゆっくりお茶したい方はここは良いかも知れません。
この日は、カフェにお客様はいなく、私1人だったので通りに面して大きな窓があるお席に座る事が出来ました😊
なんという贅沢‼️
漆器の器でホットコーヒーて良いですね。
カップの色は薄いブルーグレーで鎌倉彫の赤黒いイメージとは違って新鮮な感じがします。
ゆっくりとした時間の中、美しい器で飲んだコーヒーは格別で、とても美味しく頂きました。
鎌倉彫は地元の一般家庭では何か一つは所有している事が多く、それはお箸だったり、鏡や家具だったりしますが、小宅にはお盆があるので帰宅して改めて眺めて見ました。
お盆は薄く黒味が出てきて、使い込んだ良い味が出てきています。
若い頃は、全く興味無かったのですが、年齢を重ねると共にこの渋さが分かるようになってきました😊
最後までお読み頂きありがとうございました。
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