山門は漱石の小説「門」のモデルだった
北鎌倉にある円覚寺の開基は名執権の「北条時宗」で、鎌倉五山第二位の禅寺です。
京都の煌びやかな貴族文化とはまた違った武家文化の渋さが静かに放たれる美しいお寺で、別名「心の寺」とも言われています。
境内には夏目漱石3部作の第3作目にあたる「門」のモデルになった山門があります。
このお寺は「えんがくじ」と読むのが正しく「えんかくじ」と読むと(ああ、この人は観光客の方なのだな)と地元ではすぐに分かります😊
円覚寺はいつ来ても心休まりますが、私が好きな時間帯は夕刻前。
なぜなら、西からの光が山門を正面から照らし、とても美しい光景を見る事が出来るからです。
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この階段を上がると山門が見えてきます。
秋の柔らかな陽の光が当たって綺麗です。
山門(三門)は三解脱門(空・無相・無願)を象徴するといわれ、諸々の煩悩を取り払う門とされます。
山門を通って娑婆世界を断ち切り、清浄な気持ちで佛殿の本尊さまをお参りしなければならないとされています。
漱石の小説で(前期)三部作といったら「三四郎」「それから」「門」の三作ですが、それぞれ登場人物は違えど、三つの物語は続いているかのような構成になっています。
「門」は、特に大事件が起こるわけでもない物語ですが、その日常こそに人生の重みがあるという事が分かる内容です。
三部作の最終章「門」では不倫、略奪愛の末に結婚した主人公の愛と苦悩が丁寧に描かれています。
当時、漱石は精神的に少し病んでいたようで、鎌倉の円覚寺を訪れて「自分には門を入る資格がなく、門外に佇んで門を仰ぐに過ぎなかった」と言っています。
確かにこの威厳のある山門、来る者を圧倒する感じがしますね。
もちろん、私はくぐりましたよ、煩悩を取ってこの先に行く為に😊
境内は広いので、1周すると1時間はかかります。
この山門の右手方向に長い階段があり、その先には国宝「洪鐘」(おおがね)があります。
ありましたー。
ここは高台なので、遠く富士山も見えます。
ここから、また先程の山門のある辺りまで階段で降りて行くと、中の様子が窓から見える「仏殿」前に着きます。
仏様の上を見上げると天井画の白龍がこちらを睨んでいます。
怖くてこの下では嘘はつけないですねー💦
この先のお堂の中に、私がこの境内で最も好きな場所があります。
それは椅子に座って眺めるこの景色。
ここは静かで落ち着くから、いつまでいても飽きないです。
心が穏やかになるのは、もしかして先程山門に煩悩を置いて来たからかも❓😉
秋の静かなお寺を散策出来て良い一日でした。
帰り道、山門に置いて来た煩悩をまた拾っていかないように気をつけて帰りまーす。
* Thank you as always *
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