何ものにも縛られない真の自由
石とガラスで出来たその教会は軽井沢の自然の中に溶け込んで静かに威厳を持って建っていた。
変わった建物が好きで、オーガニック建築と聞いて前から気になっていた石の教会。
それは軽井沢星野エリアに無教会思想の内村鑑三によって建てられ、地上の礼拝堂と地下の内村鑑三記念堂からなる教会で、建築家ケンドリック・ケロッグの代表作でもある。
これは一見の価値のある素敵な建造物だ。
その独特な造りは建造物というより芸術品といった方が良いかもしれない。
7月の緑の美しい中に石のアーチ型の入り口が現れると期待で気持ちも昂る。
この中世の回廊のような所は新郎新婦が通る道らしい。
私は予め伺う事を電話予約していたので中に入る事が出来た。
挙式があると礼拝堂の見学は出来ないので事前に調べておく事をお勧めする。
上のガラスから光が差し込んで神聖な気持ちになる。
水が石を伝って上から流れている。
光と水と石で出来た礼拝堂には、十字架もマリア様もいない自由な愛の象徴そのものに思えた。
礼拝堂は決して大きくは無いのだが、椅子に座るとそこは俗世間の面倒な事などちっぽけに感じられる空間が大きく広がっていた。
南側に取られた正面のアーチ型のガラス窓からは光がどの時間帯からもキラキラと差し込む。
強固な石で囲まれているのに、中に入った感じが優しく温かいのはこのガラスから入る光のせいなのだろう。
後に地下の内村鑑三記念堂で【石は男性の力強さを、ガラスは女性の繊細さと輝きを表します】と書いてある一節を読み納得した。
この二つの物が互いに助け合って醸し出す美しい礼拝堂は、まるでこれから夫婦になる2人を祝福するかのように造られているのだ。
ふと私はバージンロードが2階から始まっていて長い事に気づく。
一体この長いバージンロードは何の為❓
これは2階から新婦が父親の背中を見ながら父親の後をついて歩いてくる為に設計されている。
そして1階に降りて初めて新婦は父親と腕を組んで歩く。
この時初めて肩を並べるまでに成長したというストーリーになっている。
なんという憎い演出。
目の前でこれを見たら私はきっと友人の挙式でも泣けてくると思う。
短時間だったが心洗われた時間を過ごす事が出来た。
夏の季節も良かったが四季それぞれの美しさがあると思うので今度は別の季節に来てみたい。
場所は 軽井沢ハルニレテラスの向かい側にある。
遠くから教会の建物は見えない為、分かりづらいが見ておいて損はしないストーリー性のある美しい建物だ。
見学は土日でも挙式が入っていなければ出来るが、平日の方が時間が取りやすかった(2021年7月)
最後までお読み頂きありがとうございました。
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